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2004年7月

2004.07.31

今日のお仕事(2004年7月28日・29日・30日)

2004年7月30日
午前 デスクワーク
午後 交通事故に関する事件の弁論準備 和解成立
午後 デスクワーク
夕方 地元の某市でのボランティア案件

2004年7月29日
午前 デスクワーク
午後 根抵当権に関する打合せ
夕方 エンターテイメントロイヤーネットワークの研究会(青山学院大学にて)


2004年7月28日
朝 建築審査会に出席
午後 土地建物売買に関する相談打合せ
午後 日弁連交通事故相談センターの委員会及び研修会に出席
夕方 地元の某市でのボランティア案件

2004.07.27

今日のお仕事(2004年7月26日・27日)

2004年7月27日
午前 会社組織変更に関する相談
午後 賃貸借契約案件
午後 特許に関する相談
夕方 ベンチャーサポート研究会

2004年7月26日
午前 特許の国内消尽についての判例についての勉強
午後 賃貸借契約の案件についての内部打合せ
午後 不正競争防止法関連事件の打合せ

2004.07.25

今日のお仕事(2004年7月24日・25日)

2004年7月25日賃貸借契約のひな型を検討

2004年7月24日
特許に関する判例の勉強
テーマは、国内消尽で、最判平成9年7月1日民集第51巻6号2299頁が勉強の対象。
木曜日に相談を受けた案件で、国内消尽で解決できそうなものがあることから、この判例あるいはその後の「写るんです」の判例を勉強しておく必要が生じた。


2004.07.23

今日のお仕事(2004年7月22日・23日)

2004年7月23日
午前 PTA関連
午後 建築審査会関連
午後 個人情報保護法関連打合せ
夕方 建物明渡関連打合せ
夜  不動産売買に関する打合せ


2004年7月22日
午前中 半休
午後 株式会社買収の相談
夕方 一時使用賃貸借に関する相談
夜   特許製品の取引に関する相談打合せ
夜   依頼者と食事

2004.07.21

今日のお仕事(2004年7月21日)

朝 自己破産申立て案件の打合せ
(なんだか近時 個人の自己破産申立てを結構な数やっているような気がする。)
昼 個人情報保護法関連の打合せ
午後 住宅性能評価機関の監視委員会
夕方 法務研究財団の法務速報の判例選別会議

2004.07.20

今日のお仕事(2004年7月18日・20日)

2004年7月20日
朝 自己破産申立案件の打合せ
午後 破産管財人との打合せ
夕方 個人情報保護法関連の打合せ
夜  事務所の経営者会議

2004年7月18日
PTAの男子ソフトボール大会。
昨年一昨年と本部の担当であり、自校の応援がろくにできなかったが、今年は、連合会の役職が何もなく、自校の応援に専念。

2004.07.16

今日のお仕事(2004年7月16日)

朝 建築基準法施行令1条1号の「一の建築物」とは(東地判平成13年2月28日判時1748号110頁をめぐって)の結論部分を微修正する。
自分としての結論が固まっていないのだと思う。
府中市建築審査会の裁決例のように、要件を定立すると、比較的結論に揺らぎは出ないが、感覚的に「一の建物」といえるがこの要件に合致しないものがあるのでは と思っているところがあるのだろう。
もう少し時間があれば、エキスパンションジョイントについての判例や裁決例を研究して、自分なりの要件定立ができるところまでいければと思うのだが。

午前 建物明渡請求事件の弁論準備
午後 不動産賃貸借関連の打合せ
午後 マンション管理関連の事件の弁論準備
夜   知人のコンサート

2004.07.15

今日のお仕事(2004年7月15日)

午前 デスクワーク
PCにRSSリーダをインストゥールするなどして、ブログ環境を向上させる。

午後 相続関連の相談
夕方 保証債務履行請求関連の相談

2004.07.14

建築基準法施行令1条1号の「一の建築物」とは(東地判平成13年2月28日判時1748号110頁をめぐって)

建物をエキスパンションジョイントで接合した場合、接合された建物全体が、建築基準法施行令1条1号に言う「一の建築物」といえるのかが問題となる相談事例が近時あった。この点については、東京地裁の判決例があることから、この判決例を検討し、次にその射程距離を検討したい。

参考法令

建築基準法
建築基準法施行令1条

問題の所在
地下鉄の換気塔とビルとをエキスパンションジョイントで接合した建物について、建築基準法施行令1条1号の「一の建築物」といえるか?

事案
訴外Aの確認申請した建築物は、地上10階地下1階で、地下鉄換気塔部分とビル部分とからなる建物であって、換気塔部分が甲土地にビル部分が乙土地に配置されているが、5階6階部分はビル部分が換気塔の上にせり出している形状であった。ところで、甲土地は幅員22メートルの大通りに面しているが、乙土地はこの通りに面しておらず、乙土地だけでは、道路斜線制限により、地上10階建ての建物が建築できない(建築基準法56条、同法施行令131条、132条1項)。しかし、甲乙地を一の建築物のある一団の土地として建築敷地とするとかような建物も建築可能となる。このようなな場合に、ビル部分と地下鉄換気塔部分とをエキスパンションジョイントで接合した計画について、Aはこれを一の建物として確認申請をなし、処分庁は、これを認めて、建築確認をなした。これに対し、近隣の住民がこの建物は建築基準法施行令1条1号の「一の建築物」には当たらず、道路斜線制限違反である(建築基準法56条)として、争った事案である。

判決要旨
東地判平成13年2月28日判時1748号110頁
「一の建物」とは、外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井、屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものを指すとして、エキスパンションジョイントで接合された本件建築物については、主要構造部分をみると、外壁・床・天井及び屋根のいずれをとっても、本件建築物の換気塔部分とビル塔部分とは、全く連結しておらず、また密接な関連をもって接続していることもないというほかないとした。そして、エキスパンションジョイントで接合していることについては、エキスパンションジョイントとは建築物・構造物の接続方法の一つであり、構造体を物理的に分離しておくことによって、構造体が相互に力学上影響を及ぼし合わないようにする接続方法であって、これによって接続されている部分は相互間に応力を伝えるものではないから(建築基準法施行令81条2項)、これによって接続固定していることは外観上一体化しているに過ぎず、主要な構造部分の関連性をもたらすものではないし、これがそのまま内壁等に用いられているとしても、その性質から間仕切壁と同様、主要な構造物をなすものとは言いがたい(建築基準法2条5号)として、エキスパンションジョイントで接合していることをもっては、認められないとした。

判例の射程距離
ところで、エキスパンションジョイントで接続した建物につき、府中市建築審査会は、地上15階建てで、渡り廊下でつながれた7棟の住居棟と共用棟1棟からなるマンションに対してなされた建築確認について、次のように建築基準法施行令1条1号の「一の建物」に該当するかについての要件を定立し、これには該当しないものとして当該建築確認処分を違法とした(日経アーキテクチャー平成15年7月号86頁)。
すなわち、同審査会は「個々の事案について、建築物が機能上、構造上、外観上の一体性を有するか否かを、社会通念に従って総合的に判断すべきものと解される。」とした上で、
1 外観上の要件として、「地上から目視できる部分において、一定の建築物により2層以上で接続されていること。渡り廊下で接続されている場合は原則として3層以上で接続されていること。」を要件とした。なお、「一定の建築物」には、「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室、または建築物を成立させるために必要な付属設備のうち、電気、ガス、情報通信、給排水などの設備室、熱供給設備機械室、ごみ処理室、管理・監視室などが該当する。」としている。
2 構造上の要件として、「エキスパンションジョイントで接続されている場合を含め、一体の構造となっていること。」「または、別の構造の建築物が一体的に接続していること。」としている。
3 機能上の要件として、「建築物の内外にかかわらず、一体的に管理または使用されること。その上で利用者が相互に建築物を日常通行できること、建築設備(防災設備、給排水設備、供給処理施設)を共用していること、避難計画が他の建築物の避難施設を利用していること、のいずれかを満たしていること。」としている。
私も、同審査会の裁決例のように、「一の建物」か否かについては、建物としての一体性を、機能上、構造上、外観上から検討を加え総合的に判断するべきものと考える。判決例の事案では、換気塔とビルとをエキスパンションジョイントで接続したというものであり、以上のような要件には合致しない建築物であったと考える。エキスパンションジョイントで接続している建築物のすべてについて、「一の建物」に当たらないとすべきではなく、機能・構造・外観の点から総合的に見て「一の建物」の要件に合致しない建築物について「一の建物」に当たらないものと限定的に考えるべきである。判決例は、エキスパンションジョイントで接合した建物は直ちに「一の建物」に当たらないかのようにも読める可能性があるが、エキスパンションジョイントで接合している建物でも、以上のような総合的判断のもとでは、「一の建物」にあたるとされる場合も多い。なお、同審査会裁決例のあげる機能上、構造上、外観上から「一の建物」といえるための要件・定義自体については、これだけに限定されるものではなく、今後更なる検討も必要ではないか。
(末尾部分などを2004年7月14日午後11時45分・同月15日午前6時50分・同月16日午前8時20分に修正しました。)

今日のお仕事(2004年7月13日・14日)

2004年7月14日
午前 離婚事件関連の作業
午後 債権回収案件の打合せ

2004年7月13日
午前 デスクワーク
午後 離婚関連事件の弁論準備
4月から人事訴訟法が改正され、家庭裁判所が離婚訴訟の管轄となった。それにともない、第1回前にして、早くも弁論準備を行い、主張整理もできるようになった。今回の件も 家庭裁判所での弁論準備手続きである。

夕方 某社の役員会に出席

2004.07.12

今日のお仕事(2004年7月12日)

午前 建物明渡関連打合せ
午後 連帯保証債務履行請求事件打合せ

2004.07.10

ジョニー・ウィルキンソン来日

2004年7月8日 イングランド代表のジョニー・ウィルキンソンが来日し、早稲田大学ラグビー部グランドで、ラグビークリニックを実施した。詳細は、早稲田大学ラグビー部のサイトに詳しい。

昨年のワールドカップの決勝。ここで点がとれれば勝ちという場面での究極のドロップゴールに痺れたのも記憶に新しい。
平日のイベントであり、残念ながら、行くことはできなかったが、妻が見学に行き、素晴らしさを伝えてくれた。うらやましい。

2004.07.09

今日のお仕事(2004年7月9日)

午前 建物明渡等事件の弁論
午後 個人情報保護法関連打合せ
夕方 連帯保証債務履行請求事件関連の打合せ
夕方 請負代金請求事件関連の打合せ

今週もあれよあれよという間に一週間終わってしまった。

今日のお仕事(2004年7月7日・8日)

2004年7月8日
午前 不正競争防止法関連の弁論
午後 小規模個人再生関連の打合せ
午後 交通事故関連の打合せ
午後 自己破産関連の打合せ
午後 個人の投資をめぐる事件についての打合せ

2004年7月7日
午前 PTAの理事会

午後 抹消登記手続請求事件の弁論準備
夜 離婚事件の打合せ
夜 個人情報保護法に関する打合せ

2004.07.06

今日のお仕事(2004年7月5日・6日)

2004年7月6日
午前 破綻金融機関関連の業務
貸金庫内の保管物件について、委託者が貸金庫費用を払わず、貸金庫契約を解除した場合の保管物件の返還についてに関連する案件。相手先の所在が特定できず、解除通知は内容証明郵便で送ると留置期間経過で戻ってしまう。普通郵便で送った上で、貸金庫契約に基づき解除後受け取りに来ないとして、換価し貸金庫保管料と対等額で相殺する予定であったが、最終的には相手と連絡がつき、内容物不要であるとの電話での回答であった。
貸金庫を明ける際には、公証人の立会いにより、検分結果を公正証書化してある。

午後 簡裁司法委員


2004年7月5日
午前 法律扶助センターでの相談。債務整理関連2件。警察に相談に行くべき案件1件。
午後 自転車対歩行者の事故関連での相談。
夕方 健康保険関連の相談・打合せ
夜  昨年度の弁護士会内某派閥による旧委員長を慰労する会。新宿住友ビル48階のみのきち
    

2004.07.04

2004年7月4日日本対イタリア

日本19ー32イタリア
日本代表は、格上のイタリアに挑んだものの、惜敗。
森田のドロップゴールがよかった。
大畑のインゴールノッコンが惜しかった。
小野沢のトライがよかった。

イタリアがベナルティゴールを狙った際、ゴール裏の観客が「ウォー」と叫んだが、これはラグビーを楽しむ観戦態度としては、いけないことではないかと思う。ルールに観客を規制するものはないだろうし、所詮、観客ではなく、選手たちのゲームなのだろうが、選手たちと一緒になってゲームを楽しむのであれば、観客もまたフェアに試合を観戦すべきではないだろうか?
野球やサッカーではそのようなことはあるのかもしれないが、ラグビーの観戦はもっとフェアに、敵にも敬意を払いたいように思う。

今日のお仕事(2004年7月2日・3日)

7月2日から3日にかけて、市PTA連合会の研修旅行で、福島県二本松市にでかけた。

2日は、二本松北小学校の見学
幕末の戊辰戦争の際、二本松藩の子供たちが二本松少年隊として、薩長に対峙し、多数の命が失われるという事件があったが、これを悼むため剣舞を小学校6年生の子供たちが演じてくれた。


3日は、市の研修施設の見学。前にスキーに行った際に泊めてもらったことがあり、懐かしかった。

抵当権の実行と敷金返還請求権

抵当権設定登記後の契約・引渡がなされた建物賃貸借だが、平成16年3月31日以前契約・引渡の短期賃貸借であり、競売の際の物件明細書にも引受となる短期賃貸借として、記載のある短期賃貸借につき、競落以前に、賃貸借契約の合意解除・明渡しを終えていた場合、その後に競落した買受人に対し、敷金返還請求をなしうるか?

参考法令
民法  395条 附則7条(平成15年8月1日法律第134号)

1 昨年、標記のような事案に接しました。旧所有者は、競売をされている位ですから、資力もなく、また、競売の際の物件明細書には「引受けとなる短期賃貸借」の記載があり、かつ、鑑定もこのような権利があることを前提になされたものと考えられることから、競落人は、そもそもこのような短期賃貸借の引き受けを前提とする買受をしているのではないか、従って、敷金返還義務を負うのではないかとの問題提起です。近時の担保法の改正により、短期賃貸借制度はなくなりましたが、平成16年3月31日以前に契約・引渡のなされた短期賃貸借については、なお短期賃貸借の保護がなされることから、また、抵当権者に対抗できるいわゆる長期賃貸借についても買受前に明渡しをしてしまうと同じ法律関係になるのであり、今後も実益のある論点だと思われます。

2 結論的には、この場合、買受人は、以下に述べる理由により、敷金返還債務を負わないと考えます。論点は、賃貸人の地位承継の要件と物件明細書の性質論に分かれます。

3 賃貸人たる地位の不承継について
敷金返還請求権は、明渡時に発生するとされています。本件では、しかし、買受より前の段階で賃借人は、当時の所有者・賃貸人との間で、賃貸者契約を合意解除し、明渡しまで終えてしまっています。そうすると、買受人は、賃貸借契約が合意解約され、明渡しも完了した後に、本件建物を取得したことになるのであり、買受人は、旧所有者の賃貸人たる地位を承継せず、敷金返還債務も承継しないことになります。

4 物件明細書の記載の公信力について
次に競売の際に作られる物件明細書ですが、本件ではこれに、本件賃貸借契約及び敷金の存在が記載されています。そこで、このような記載を前提に手続きに入った以上、買受人は、賃貸借や敷金を引き受けるといえないかとの疑問もありえます。
しかしながら、物件明細書の記載は裁判ではなく、公信力も存在しません。そもそも、物件明細書というのは、物件明細書作成時点での競売不動産の明細及び権利関係について情報提供しようとするものにすぎないのであって、これによって、実体的権利関係が影響を受けることもありません。
したがって、物件明細書の記載内容如何にかかわらず、本来存続するべき物的負担は存続し、消滅すべき物的負担は消滅することになります。
5 結論
 以上のとおりですので、本件では、賃貸借は、買受人の引き受けにはならず、従って、敷金返還請求債務も負担しません。

2004.07.01

今日のお仕事(2004年7月1日)

朝 建物明渡事件の打合せ
昼 破綻金融機関関連の仕事
夕方 仲裁人研修
夜 事務所会議

事務所の某弁護士の批判にこたえ、今日からだんだんとこのブログも充実させることとした。
備忘的な「今日のお仕事」はできるだけこのまま継続するが、ときどき簡単な法律に関する記事を入れたいと思う。
第一弾が、サービサー会社による債権回収と対抗要件 である。

サービサー会社による債権回収と対抗要件

 貸金債権を有するA社が債権管理回収業に関する特別措置法による債権回収会社B(いわゆるサービサー会社)に、債権回収委託をした場合、債権回収委託について、債務者Cに対する対抗要件は必要か?

参考法令
債権回収業に関する特別措置法など
民法467条
弁護士法72条


1 昨年、とある案件で、このような問題に直面しました。実務的には、特に債務者に対する対抗要件(通知または承諾)なくして、サービサーは債権回収をしていることが多いと思われますし、裁判実務でも特に債務者に対する対抗要件の有無を確認せずに、請求を認めているようです。しかし、私は、以下の理由により、対抗要件が必要ではないかと考えます。

2 債権管理回収業に関する特別措置法(以下「サービサー法」と言います。)11条1項は、次のように定めています。
  すなわち、「債権回収会社は、委託を受けて債権の管理又は回収の業務を行う場合には、委託者のために自己の名をもって、当該債権の管理又は回収に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。」とされています。
  これは、債権回収会社が、当該債権を買取らずに、回収の委託を受けた場合でも、自己の名をもって請求行為が裁判上または裁判外を問わずできることを規定しているものです。
  従来、他人の債権の回収委託を受けてこの取立てをなす行為は、弁護士法72条で「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」と定められ、禁止されていましたが、債権管理回収業として適式の要件を備え、認可を受けた債権回収会社については、同条但し書きによる「他の法律に別段の定めがある場合」の例として、他人の債権の回収委託を受け、これを取り立てることが許されることになりました。
  他人の債権の回収委託を受ける場合の法的関係としては、ひとつには、債権者の代理関係である場合があげられます。この場合は、代理人は、本人のためにすることを顕名の上、あくまで代理人として請求行為をすることになります。
もうひとつは、債権取立権限・回収権限のみを譲渡する場合があげられます。債権回収業に関する特別措置法以前では、手形の取立委任裏書が代表例でした。手形法18条は、「裏書に「回収の為」、「取立の為」、「代理の為」其の他単なる委任を示す文言あるときは所持人は為替手形より生ずる一切の権利を行使することを得」としており、取立委任裏書を認めています。この場合には、手形の取立委任裏書を受けた手形所持人は、実体上の債権者のために自己の名前で、債権の回収をすることとなり、訴訟提起をすることも、いわゆる任意的訴訟担当として、これがなしえるものとされています。
サービサー法11条1項による債権の回収も、手形の取立委任裏書の場合と同様、実体上の債権者に債権を残したまま、回収・取立権限のみがサービサー会社に与えられ、サービサー会社は自己の名をもって債権回収をすることになります。この場合に訴訟をすることも手形の取立委任裏書の場合と同様、任意的訴訟担当として、自己を訴訟上の当事者としてなすことが可能です。

3 私の疑問は、このように回収・取立権限を受けるに当たり、債務者に対する対抗要件が必要なのではないかという点にあります。手形の取立委任裏書については、裏書という手形法に定められた特別な対抗要件を要求しています。指名債権について、サービサー会社に回収・取立を委託する場合にも、民法が要求している債務者に対する対抗要件、通知または承諾が必要なのではないかということです。

4 債権譲渡とは、債権の買取の場合だけであると考えるのであれば、このような回収・取立委託については、債権譲渡には当たらず、対抗要件の問題は出てこないかもしれません。しかし、債権譲渡というのは、債権の売買だけに限られません。この点、 注釈民法(11)346頁は、「?Y 特殊の債権譲渡」 の項の中で、(1)取立のためにする債権譲渡 として、(ア)取立権能の授与 として、回収委託を与える場合も債権譲渡の一例としています。また、倉田卓次監修「要件事実の証明責任 債権総論」346頁以下も、取立のための債権譲渡の二類型として、「取立権能の授与」について触れており、従来から、取立・回収権限のみを与えるという形の債権譲渡もまた、債権譲渡の一態様として認められてきているものと思われます。

5 サービサー会社に債権回収を委託し、サービサー会社が自己の名をもって債権を回収・取立てる場合が、このような債権譲渡の一態様と認められるとすると、債権の売買の場合と同様、サービサー会社が債権回収をするには、債務者に対する対抗要件が必要となるとの結論が導かれると考えます。

6 また、実質的にも、債務者に対して実体上の債権者から回収委託をしたことについて何らの通知ないのに、回収委託を受けたとする債権管理回収業者から、請求があっても、この債権管理回収業者が真に債権回収委託を受けたものかは不明であり、債務の弁済をするべきか否かの判断ができないことは、債権の買取のような通常の債権譲渡の場合に、債務者に対する通知がないと債務者が弁済をするべきか否か判断できないのと全く変わらず、債権譲渡の対抗要件が必要と考えるべきと思われます。

7 このように考えた場合、大量の債権の管理・回収を行うサービサー会社の業務にマイナスになってしまうとの弊害がありますが、なんらかの立法措置によって解決するべきことなのではないでしょうか。

8 なお、私のように考えた場合でも、「サービサー会社が対抗要件を備えていないこと」が、サービサー会社から請求をされた債務者にとっての抗弁になると思われますので、現実の実務の大半でそのような抗弁が出ていないことから、サービサーの対抗要件の有無を確認しない現在の実務が直ちに違法になるわけではないと考えます。また、そのような抗弁が出た場合、実質的債権者に通知をさせればよいので、サービサー会社側が対抗要件を備えるのはそれほど難しいことではなく、余り実益のある議論ではないかもしれません。しかし、「対抗要件の具備がないので支払わない」と債務者が主張しているのに対し、サービサー会社側が何ら措置をとらない場合や、担保権実行の手続のように発令時の要件具備が問題になる事案に対する執行抗告においてかような主張がなされた場合などには、実益のある論点となろうかと思われます。


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