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2005.01.25

請負金額を定めずに行った建築工事請負について錯誤により相当額と異なる金額を請負代金として合意した場合の相当額の立証責任と裁判所の釈明義務

近時、請負代金請求訴訟において、概ね次のような事案を経験した。
1 Aは、Bに、内装工事の請負を発注したが、AとBとの間では、請負代金額についての取り決めをしなかった。
2 Bが 仕事完成目的物引渡後、Aに対し、請負代金の請求をしたところ、Aは、相当額と異なるとして、これを争った。
3 その後、Bが、早朝Aに電話したところ、Aの従業員が徹夜明けの状態で電話に出たので、Bは、請求金額について支払義務を認める内容の書面をA従業員において作成の上、Bにファックスで送信することを要求した。
4 Aの従業員は、金額についての確認をしないまま、Bのいうままの金額の支払義務あることを認める内容の書面を作成し、Bにファックスで送信した。
5 Bは、このファックスを前提に、Aに、請負代金額についての合意ができたとして、請負代金請求訴訟を提起した。

請負代金について明確な合意がない場合でも、当該請負契約が商行為といえる場合には、商法512条に基づき、請負人は注文主に対して、相当額についての請負代金を請求することができる。
この場合、相当額についての立証責任は、請負人側にあると考えられる。

しかしながら、後に請負代金についての合意ができたとされる場合、基本的には、その合意が相当額と異なるとしても、請負人は経済的には必要以上に利益を得ることになるとしても、合意に基づく支払請求をすることができる。
したがって、もし、注文主において、後に成立した請負代金についての合意が、本来の相当額と全く異なり、錯誤によるものだ主張する場合、錯誤を基礎づける事実として、相当額がいくらであるかについて、主張立証する必要がある。
この場合、錯誤立証のために、注文主において、1 相当額  2 合意が相当額と異なること  3 2であるにもかかわらず、合意額が相当額と認識していたこと を立証する必要があるのではないだろうか?

なお、訴訟において、注文主側が、請負代金について合意ができていないとして、相当額については支払うとして争っている場合において、請負人においては、請負代金についての合意ができたとして、相当額の主張立証をしないっ場合、合意の有無自体が争点になるが、合意の存在自体について裁判所が一応の心証を得ている場合には、注文主側に 上述の1ないし3についての主張を促す釈明を求めるべきであると考える。なぜなら、合意の額が、相当額と異なる場合、その合意とおりの支払を認めたとすると、結果として、請負人は本来得るべき原価と一定率の利益を超えた金額の代金を取得することになり、経済的にバランスのとれない結果となるからである。

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