取締役の責任
今日(2005年2月12日)の毎日朝刊に、ニッポン放送株問題に関連して、フジサンケイグループとしては、ニッポン放送グループの稼ぎ頭である子会社をフジサンケイグループの企業に売却するなどして、ニッポン放送の企業価値を大幅に引き下げてしまう戦略を検討している(焦土作戦)との記事が掲載されていた。
この記事でも末尾の方に多少触れていたが、子会社を「企業価値を大幅に引き下げてしまう」目的で売却する行為は、取締役の責任(商法266条)ありとされないことは難しいのではないだろうか?
同条1項5号は、法令または定款に違反する行為について、取締役の責任ありとしている(取締役会で賛成した取締役(同条2項)、及び決議の議事録に異議を留めなかった取締役(同条3項)も同様。)。そしてこの責任は、原則として、株主全員の同意がないと免除できない(同条5項。但し、同条7項以下に責任範囲限定の規定あり。)。
この場合、子会社の売買自体は違法ではないだろうから、取締役の忠実義務(商法254条の3)や善管注意義務(商法254条3項民法604条)に違反しないかが問題となるであろう。
現実の選択として、「企業価値を大幅に下げてしまう」目的での子会社売却という方式はとりにくいのでは?
もう少し ひとひねりすることになるのではないだろうか?
以上を昨日(2005年3月11日)に投稿したところ、今日の日経では、ライブドアがニッポン放送の役員に対して、「自社の重要資産を他者へ売却せず保有し続けるよう求める文書を12日、発送したことが明らかになった。」とされている。
これは、かような牽制球を投げておくことで、万が一、売却等のおりに、商法266条の責任を問うことをしやすくするための布石ともいえると思われる。
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