事業協力等の協議のための基本合意中の合意の目的に反する第三者と協議を行わないこととするとの条項の効力
企業間の事業協力や経営統合、M&A等をめぐり、A社がB社との協議をしつつ、より、A社の利益になるとの経営判断の成り立つC社との協議を進めるということはありうることであるが、これを防止するために、A社とB社との間で、事業協力等の基本合意の目的に反する第三者との協議を禁ずる合意をする場合がある。このような合意の有効性をめぐり、協議禁止の仮処分を申請した例について、最高裁判所は、次のように判示して、協同事業化に関する基本合意中の基本合意の目的と抵触する他者との協議等禁止条項の効力に関し、その有効性を認めたが、協議禁止の仮処分については保全の必要性なしとして却下した(最決平成16年8月30日民集58巻6号1763頁 判時1872号28頁)。
この事件は、わが国有数の金融機関同士の訴訟として、耳目を集め、その後の訴訟事件も含め、ネット上でもいくつかの解説が見られる。
http://www.e-hoki.com/tax/comp/2923.html
http://www.makino-law.jp/ronbun/hanrei/hanrei-5.htm
など。
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