交通事故による損害賠償請求権の消滅時効
交通事故被害者は、自賠責保険に対して、被害者請求がなしうるが、自賠責保険は、因果関係や有無責、後遺障害の程度について、保険料率算出機構(旧・自動車保険料率算定会)に認定を求め、その結果に従うことになる。ところで、被害者が後遺障害の等級に不満があるなどする場合には、保険料率算出機構の認定に対して、異議申立を行うことができるが、異議申立を繰り返すなどする間に、相当期間が経過する場合がある。
ところで、民法724条は、不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅するとされている。そこで、かように異議申立等をしている間に、相当期間経過した場合に、損害賠償請求権が時効消滅していないかが問題となる。
最判平成16年12月24日判時1887号52頁は、この点について、
「交通事故による後遺障害に基づく損害賠償請求の消滅時効について、遅くとも症状固定の診断を受けたときには、損害及び加害者を知ったときというべきであり、自動車保険料率算定会の等級認定の時期は結果を左右しないとした。」
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