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2007.10.11

子の連れ去り

離婚をめぐり、幼少の子の親権や監護権について、父母の間で激しく争いとなって、子の奪い合いが行われる例がある。このような行為については、刑事的には、略取誘拐罪が成立し、また、親権や監護権の決定の審判の中でも奪い合いの事実が考慮されることが多い。
子の引渡について、家事審判手続や審判前の保全等の手続きをとっても、手続きが煩瑣であることから、思わず、実行行為に出てしまう父母がいるが、弁護士としては、下記の判例を示すなどして、アドバイスをする必要があろう。


最判平成17年12月6日刑集59巻10号1901頁 判時1927号156頁

母の監護下にある二歳の子を有形力を用いて連れ去った略取行為は、別居中の共同親権者である父が行ったとしても、監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情が認められず、行為態様が粗暴で強引なものであるなど判示の事情の下では、違法性が阻却されるものではない。

東京高決平成17年 6月28日家月 58巻4号105頁

別居中の父母からそれぞれ申し立てられた子の監護者指定申立事件の即時抗告審において、子は七歳とまだ幼少の年齢であり、出生以来主に母である抗告人によって監護されてきたものであって、その監護養育状況に特に問題があったことをうかがわせる証拠はないところ、調停委員等からの事前の警告に反して周到な計画の下に行われた相手方及びその両親による子の奪取は、極めて違法性の高い行為であるといわざるを得ず、子の監護者を相手方に指定することは、そのような違法行為をあたかも追認することになるのであるから、そのようなことが許される場合は、特にそれをしなければ子の福祉が害されることが明らかといえるような特段の状況が認められる場合に限られるとした上、本件においては、このような特段の事情を認めるに足りる証拠はないとして、相手方を監護者と定めた原審判を取り消し、抗告人を監護者と定めた

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