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2007年12月

2007.12.31

2007年(平成19年)を振り返って

さて 2007年も今日で終わり。
今年の弁護士としての活動を振り返ると

1 建築関連の案件
  特殊案件として建築審査会関連の建築確認に対する審査請求と取消訴訟案件の仕事があったのは前年度に引き続き。
  2005年(平成17年)に発覚した姉歯建築士事件に端を発した構造計算偽装問題から、国民一般に建築確認がなされている案件であっても正しい建築であるかは分からないとの意識が喧伝されたのではないか。審査請求や取消訴訟は姉歯建築士事件とは異なり、近隣住民からの申立が大半というかほとんど全部であり、構造計算の偽装問題とは法的論点は全く異なるのであるが。
  請負契約に関する案件も相変わらず。

2 建物収去土地明渡事件・建物明渡
  古典的な態様の事件であるが、これも近年多いように思われる。今年も貸主側、借主側の双方からの依頼があった。どちらかというと顧問先等の関連から貸主側からのものが多いのは例年とおり。その中で、借主側からの案件で近年にない形での明渡し事件の依頼があった。未だ継続中なので詳細はかけないが、構造上一棟の建物の明渡しが終わった部分から取り壊しを始めたもの。建物の残部分では、依頼者である賃借人が営業中であり、通常では考えられない態様である。かつて、私が弁護士になりたての20年前には、いわゆる地上屋が跋扈しており、そのような明渡手法を見聞きしたが、バブル崩壊とともに地上屋はいなくなり、このような明渡手法もみられなくなっていた。少なくとも私の周りでは。

3 交通事故関連
  財団法人日弁連交通事故相談センター関連の業務は、平成6年9月に本部嘱託を受けて以来であるので、13年になる。特別な研究を重ねたわけではなく、門前の小僧のようなものだが、おかげで損害賠償の基本的考え方がなんとなく分かってきたような気がする。そこで、昨年から勉強させていただいたことの御礼の気持ちもあり、同支部の委員をやるようになった。今年は、同支部発行の赤い本での休業損害のチームリーダーをやることになり、更に勉強させられた。その関連で親しくさせていただいたK先生は、新聞記者を辞めてロースクール生となった高校後輩のロースクールでの教授でもあり、また、T先生は、現在私のところに実務修習に来ている司法修習生のロースクール時代の教授であるとの因縁もあった。

4 司法修習生の指導
  今年は、3人の司法修習生を指導する機会をいただいた。
  一人目の方は、女性で、有名企業を退社されて旧制度の司法試験に合格。60期。無事、2回試験も合格し、現在、検事に就任。
  二人目の方は、第一回のロースクール卒(既習)での司法試験合格者。60期(一般に新をつけるが、法律上は、新旧の別はないらしい。)。この方も2回試験合格し、来年から 法テラスのスタッフ事務所で弁護士。
  三人目の方は、第二回のロースクール(未習)での司法試験合格者で、61期。任官志望とのとだが、弁護士も視野にいれているらしい。素直で柔軟な思考の方であり、法曹三者のいずれにも向くと思う。従来と異なり、全期修習がないので、その分、大変だと思うが、実務修習を乗り切り、是非、二回試験に合格して、実務で活躍して欲しい。

5 弁護士二十周年
  本年は、弁護士登録をした昭和63年から20年目の年であった。夏には、研修所卒業20年目のイベントもあった。来年は21年目。10年を中期のひとくりぎと考えると、新しい期のスタートの年である。更なる研鑽を重ね、能力の向上をはかりたい。

6 そのほか、東京新都心ロータリークラブでは、出席奨励委員長、プログラム委員。東京弁護士会内にある法曹緑会の幹事長など。

2007.12.29

中小企業退職金共済による退職金規定を上回る保険金についての返還合意の効力

中小企業退職金共済法にもとづく中小企業退職金共済に加入している企業は多い。この場合、企業の中には、中小企業退職金共済による給付額が、退職金規定で算出される退職金額を上回っている場合に、その差額を退職労働者から企業に返還させるとの合意をしている例がある。
このような合意の有効性については、企業が負担している共済金掛金を給与の一部と考えたとするとその対価としての共済金の一部を変返還させることになり、私は、給与全額払原則(労働基準法24条)との関係での疑問を持っている。
下記高裁裁判例は、同様の事案について、中小企業退職金共済法の制度趣旨に立ち返り、返還合意を無効とした。

東京高判平成17年5月26日労働判例898号31頁

従業員の福祉の増進を図るという中小企業退職金共済制度の趣旨、及び、事業主と勤労者退職金機構の間で退職金共済契約が締結されると被共済者(従業員)及び遺族は改めて受益の意思表示をすることなく当然に機構に対して退職金受給権を取得する(中小企業退職金共済法(平成14年法律100号改正前)5条)、被共済者が退職した場合には機構は被共済者又は遺族に直接退職金等を支給する(同法10条1項)、退職金等の受給権は原則として譲渡が禁止される(同法16条)、国は同制度の運営について各種の財政援助をする(同法10条2項、87条等)、等の規定内容に照らすと、被共済者の利益を保護しようとする同法の各規定は強行規定であると解するのが相当である。
会社と同社を退職する従業員との間で締結された、勤労者退職金機構から中小企業退職金共済制度に基づく解約金として同人に支払われる金額が会社の内規に従って算出した同人の退職金額を上回る差額について同人が会社に返還する旨の合意が、
(1)右合意は右解約金のうち返還対象となる部分について会社が従業員を介して機構からその支給を受けること、又は会社が従業員から当該部分の受給権の譲渡を受けることを約したに等しいものであり、中小企業退職金共済法5条・10条1項・16条及び同法に基づく中小企業退職金共済制度の趣旨を潜脱する強行法規違反である
(2)会社が共済掛金の損金算入等の点で国から一定の財政的援助を受けつつ、右従業員との間で使用者としての立場を利用して退職金共済契約の内容について正しい説明をすることなく本件合意を成立させたこと
等を考慮して、右合意は公序良俗違反にも該当するとして無効とした例。

2007年12月10日から28日

2007年12月25日の週
この週で今年の仕事も終わり。
温泉権関連の打合せ、離婚関連打合せ、日弁連交通事故相談センター面接相談(件数多い。)、心話會望年会・顧問先忘年会。司法修習生、そして、9月まで私のところで修習した方、事務所の都合のつく弁護士とのプライベートな忘年会。建物収去土地明渡請求事件(地主側)など。

2007年12月17日の週
婚費請求事件、労働事件案件、物流施設関連の打合せ、ロータリークラブ若手忘年会。借地更新の件(地主側)、家賃増額請求(賃借人側)、離婚等請求事件、借地権譲渡承諾請求(借地人側)、建設工事請負関連(請負人側)、自賠共済紛争処理機構関連。

2007年12月10日の週
10日は、一日、国選事件の関連で、被害者との示談。また、金曜日には第一回期日。
お二人の方と会う。お一人は、多摩地区。もうお一人は、23区内千葉寄りの地区。
この週は、その他、土地明渡関連、債権回収関連、損害賠償請求関係、ロータリークラブクリスマス会。建物明渡請求事件(賃借人側)、遺産分割など。
週末、某派閥の忘年会。その後、高校時代の友人とのローカルな忘年会で、新宿ゴールデン街へ。

2007.12.28

元請業者の孫請業者に対する立替払と相殺

請負業者の倒産に際し、注文主には請負代金支払義務が存在している反面、事実上請負の履行が困難となるが、下請等に直接払いすることができれば、現実的な解決ができる反面、請負代金支払義務は残存するので、二重払いの危険がなしとできない。
この点について、予め下請けとの請負契約中に立替払と相殺についての条項を入れることで、予防している例についての高裁判例が存在する。


東高判平成17年10月5日判タ1226号342頁

請負契約約款に立替払約款及び相殺約款がある場合に、下請業者が民事再生手続を申し立てた後に、元請業者が孫請業者らに対し下請業者の有する請負代金債務を立替払して、これにより取得した立替金請求債権を自働債権として下請業者に対する請負代金債務とを相殺することについて、孫請業者の連鎖倒産を防止すること、建築物の品質の同一性を保ち、瑕疵が生じた時の責任の所在を明確化すること等から請負契約約款における立替払約款の必要性を認め、その立替金債権と下請代金との相殺を認める約款を設けることにより、元請業者の二重払いの危険を防ごうと企図することは建設請負工事の施工の実態からある程度避けがたいことで、これらの約款には下請業者の倒産に伴う様々なリスクの顕在化を予め防止する上で相応の合理性があるとして、この約款にもとづいて元請業者が取得した本件の立替金債権は、改正前民事再生法93条4号ただし書き中段の「再生債権者が支払の停止等があったことを知った時より前に生じた原因に基づくとき」に該当し、当該債権と請負代金債務との相殺についても、本件では元請業者の支払停止時の混乱に乗じて不当な利益を得ようとする等の事情がなく、相殺権の行使が権利の濫用に当たらず許されるとした。

2007.12.10

2007年12月1日から9日

この間、国選で受任した刑事事件関連の仕事が忙しい。
前の週に保釈が認められた被告人との面談。
記録の閲覧。記録大部につき、検察庁の閲覧室へ修習生と何度も閲覧に行く。主要な部分のみ私選でついている相被告人の弁護人から借りてコピー。
私は、前から思っているのだが、提出予定の証拠については、検察官は予め副本を用意するべきではないだろうか。民事事件では、証拠が大部のものでも相手方用に副本を用意することとなっているが、刑事ではそのような手続はない。

その他、民事の尋問打合せ、建築関連、自賠共済紛争処理機構関連、遺産分割関連など。

2007.12.01

11月26日から30日のお仕事

これを書いているのは、12月1日。はや師走。
さて、11月最後の週は、
刑事事件(国選)関連
借地非訟
司法修習生の修習開始式・同懇親会
遺産分割
建物収去土地明渡事件関連(現地確認)
東京弁護士会臨時総会
など。

刑事事件だが、本人の希望で、前週に保釈申請。27日(火)に裁判官と面接。司法修習生がちょうど修習開始式も終えており、裁判官面接を傍聴。同日のうちに保釈許可の連絡。但し、資金ぎりぎりの方で(なので国選)私のところにはまだ保釈保証金預かってもおらず、どうなることかと心配するが、翌28日(水)には、保釈保証金預かることができ、無事釈放。司法修習生には、職員とともに、保釈保証金を納付するまでの手続を経験してもらった。
その修習開始式。
従来の前期修習がないために、弁護士会にて宣誓式。
夕方からの懇談会のあと、カウンターのお店に誘い、その後帰宅。

29日。大学時代の勉強会の同期会を開催。みなさんおじさんおばさんだが、学生時代の延長線上の姿・雰囲気なのがおもしろい。
30日。刑事事件の被害者に電話など。
午後、東京弁護士会の臨時総会。
夜。派閥の忘年会。
2次会はからおけ。私は、やらなきゃなんないことがあり、深夜0時半に失礼して、事務所で仕事。週あけ月曜日の事件の書証を整理し、ファックスで送付。相手方書面への反論を作成。

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