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2007.12.28

元請業者の孫請業者に対する立替払と相殺

請負業者の倒産に際し、注文主には請負代金支払義務が存在している反面、事実上請負の履行が困難となるが、下請等に直接払いすることができれば、現実的な解決ができる反面、請負代金支払義務は残存するので、二重払いの危険がなしとできない。
この点について、予め下請けとの請負契約中に立替払と相殺についての条項を入れることで、予防している例についての高裁判例が存在する。


東高判平成17年10月5日判タ1226号342頁

請負契約約款に立替払約款及び相殺約款がある場合に、下請業者が民事再生手続を申し立てた後に、元請業者が孫請業者らに対し下請業者の有する請負代金債務を立替払して、これにより取得した立替金請求債権を自働債権として下請業者に対する請負代金債務とを相殺することについて、孫請業者の連鎖倒産を防止すること、建築物の品質の同一性を保ち、瑕疵が生じた時の責任の所在を明確化すること等から請負契約約款における立替払約款の必要性を認め、その立替金債権と下請代金との相殺を認める約款を設けることにより、元請業者の二重払いの危険を防ごうと企図することは建設請負工事の施工の実態からある程度避けがたいことで、これらの約款には下請業者の倒産に伴う様々なリスクの顕在化を予め防止する上で相応の合理性があるとして、この約款にもとづいて元請業者が取得した本件の立替金債権は、改正前民事再生法93条4号ただし書き中段の「再生債権者が支払の停止等があったことを知った時より前に生じた原因に基づくとき」に該当し、当該債権と請負代金債務との相殺についても、本件では元請業者の支払停止時の混乱に乗じて不当な利益を得ようとする等の事情がなく、相殺権の行使が権利の濫用に当たらず許されるとした。

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