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2008年3月

2008.03.09

事業用借地に関する借地借家法の改正

昨年12月 借地借家法が改正され、本年(2008年)1月1日から、事業用借地に関し、最長存続期間が50年未満となった。詳細は、国土交通省内<借地借家法の改正について>を参照。

改正の目的は、①従来の最長20年では、資産の減価償却が進んでおらず、中途半端な期間であったこと、②一般的借地が50年以上であるのに対し、20年を超え50年未満の借地については、更新型の普通借地(最低存続期間30年)しか存しなかったことから、土地有効活用のためにこの期間を埋める定期借地制度を設けるべきであるとしたことなど、③土地の有効活用と地域活性化に資すること などとしているようである。

私は、従来の事業用借地の場合、店舗や事務所あるいは倉庫などを事業用借地上に建設して所有する場合に、店舗オープンの日その他、建物の利用開始の日から20年の期間とすることが多く、現実にはそれ以前の着工期間も実質的に借地していることから、事業用借地としての有効性に疑問が生じるおそれがあったところ、今回の改正により、建設期間をも含む借地期間を設定しても実質利用期間を20年とできることから(なお明渡期間もあるので、これをも含む期間設定にしておく方が一層よいと思われる。)、そのような使い方をするために有意な改正であったと感じている。

すなわち建築期間1年、取壊期間半年として、20年の建物所有をする場合、21年6ヶ月の事業用借地契約を締結するという考え方である。
従来は、建築期間についえ、一時使用賃貸借を締結したり、予約期間として予約料を支払う等していたことが多いと思うが、今後はそのような技巧的な方法をとらずに、端的に事業用借地期間に参入して契約していくべきと思う。

2008.03.05

不動産の値下げ販売をした場合の販売者の責任その2

最判平成16年11月18日民集58巻8号2225頁 判時1883号62頁が、値下げ販売の場合に販売者に責任を認め、慰謝料について損害賠償義務を認めたことについて、画期的であるとして紹介したが、これに追随するかのような下級審判例が、公刊物に掲載されていた。先の最高裁判決の事案と異なり、通常の売買の事案のようであり、参考になると思われる。


大阪高判平成19年4月13日判時1986号45頁は、次のとおり、信義則上の販売者に適正価格設定譲渡義務を認め、同義務違反が不法行為にあたるとした。但し、経済的損害は認めず、慰謝料のみ認めた。

(信義則による適正譲渡価格設定販売の義務)
分譲マンションの特性、被控訴人(住宅供給公社)の性格及び本件売買契約の特性等を総合考慮すると、被控訴人には、本件マンションを含む分譲マンション等の売残住戸が生じた場合、完売を急ぐあまり、市場価格の下限を相当下回る廉価でこれを販売すると、当該マンション等の既購入者らに対し、その有する住戸の評価を市場価格よりも一層低下させるなど、既購入者らに損害を被らせるおそれがあるから、信義則上、上記のような事態を避けるため、適正な譲渡価格を設定して販売を実施すべき義務がある。

(信義則上の義務違反)
被控訴人は、前記信義則上の義務に違反し、売残住戸の完売を急ぐあまり、分譲開始から約4年後に、当時の市場価格の下限を10%以上も下回る、当初の分譲予定価格から49.6%値下げした著しく適正を欠く価格で本件マンションを販売したものであるから、その行為には過失があり、不法行為を構成する。

(損害論~経済的損害を否定し、慰謝料認める)
但し、経済的損害については、値下がりが将来にわたって続くとは言いがたいとして認めず、精神的損害についてのみ、本件マンションの購入者である控訴人らは、本件不法行為により、少なくとも、一時的には、その購入した住戸の価格を本来の市場価格以下に低下させられ、多大な精神的苦痛を被ったものと推認することができるとして、その所有ないし共有する住戸の床面積の多寡にかかわらず、一戸あたり100万円の慰謝料を認めた。

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