011 商事

2013.01.06

人身傷害保険の支払と代位する損害賠償請求権の範囲(最判平成24年2月20日)

最判平成24年2月20日 民集66巻2号742頁
平成21年(受)第1461号 損害賠償請求事件(変更)

 
本件は,交通事故によって死亡したAの両親である第1審原告らが,加害車両の運転者である第1審被告Y1に対しては民法709条に基づき,加害車両の保有者である第1審被告Y2に対しては自動車損害賠償保障法3条に基づき,損害賠償を求める事案である。第1審原告らは,第1審原告X1が自動車保険契約を締結していた保険会社から,上記保険契約に適用される普通保険約款中の人身傷害条項に基づき,保険金の支払を受けたことから,上記保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲等が主たる争点となった。

論点 1
人身傷害条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社(以下「保険会社」という。)は,損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するか。

論点 2
人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合,保険金を支払った保険会社が,代位取得する損害賠償請求権の範囲。
論点2につき
既出 交通事故の加害者が被害者に賠償すべき人的損害の額の算定に当たり、被害者の父が締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づき被害者が支払を受けた保険金の額を控除する場合の控除の方法について。 その2 その3


(事実関係の概要等)
(1)  Aは,平成17年5月1日午後6時40分頃,横断歩道の設けられていない道路を横断中,前方注視を怠るなどして上記道路を進行してきた第1審被告Y1が運転し,第1審被告Y2が保有する普通乗用自動車に衝突され,脳挫傷,気管挫裂傷等の傷害を負い(以下,この事故を「本件事故」という。),入院治療を受けたが,同年11月26日,死亡した。

(2)  本件事故によりAが被った損害は合計7828万2219円であるが,本件事故におけるAの過失割合が10%であることから,上記割合により過失相殺をすると,Aが第1審被告らに対して賠償請求をすることができる損害金(以下,単に「Aの損害金」という。)の額は,7045万3997円となる。Aの両親である第1審原告らは,Aの第1審被告らに対する損害賠償請求権を2分の1ずつ相続により取得した。

(3)  第1審原告らは,本件事故によりAが被った損害につき,公立学校共済組合から123万9297円の,第1審被告Y2から793万0904円の各支払を受けた。その結果,第1審原告らが第1審被告らに対して賠償請求をすることができるAの損害金の残元本は,上記(2)の7045万3997円から上記各支払額を控除した6128万3796円となった。
(4)  第1審原告X1固有の損害は,270万円であり,第1審原告X2固有の損害は,160万円である。

(5)  第1審原告X1は,本件事故当時,B(以下「訴外保険会社」という。)との間で,人身傷害条項のある普通保険約款(以下「本件約款」という。)が適用される自動車保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結しており,Aは,上記条項に係る被保険者であった。
(6)  本件約款中の人身傷害条項には,要旨,次のような定めがあった。
ア  訴外保険会社は,日本国内において,自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により,被保険者が身体に傷害を被ることによって被保険者又はその父母,配偶者若しくは子が被る損害に対し,保険金を支払う。
イ  訴外保険会社は,被保険者の故意又は極めて重大な過失(事故の直接の原因となり得る過失であって,通常の不注意等では説明のできない行為(不作為を含む。)を伴うものをいう。)によって生じた損害に対しては,保険金を支払わない。
ウ  訴外保険会社が保険金を支払うべき損害の額は,本件約款所定の算定基準に従い算定された金額の合計額(以下「人傷基準損害額」という。)とする。
エ  訴外保険会社が支払う保険金の額は,人傷基準損害額から①保険金請求権者が賠償義務者から既に取得した損害賠償金の額及び②上記アの損害を補償するために支払われる給付で保険金請求権者が既に取得したものがある場合はその取得額等を差し引いた額とする。
オ  保険金請求権者が他人に損害賠償の請求をすることができる場合には,訴外保険会社は,その損害に対して支払った保険金の額の限度内で,かつ,保険金請求権者の権利を害さない範囲内で,保険金請求権者がその他人に対して有する権利を取得する(以下「本件代位条項」という。)。

(7)  本件約款には,訴外保険会社が上記(6)アの損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めはない。

(8)  Aについての人傷基準損害額は,6741万7099円である。第1審原告らは,平成19年10月25日,本件事故によりAが被った損害につき,訴外保険会社から,本件約款中の人身傷害条項に基づき,保険金として,上記の人傷基準損害額から上記(3)の各支払額を差し引いた5824万6898円(以下「本件保険金」という。)の支払を受けた。

(9)ア  第1審原告X1の請求(当審における減縮後のもの)は,以下の金員の支払を求めるものである。
 (ア) Aの損害金の残元本の2分の1である924万3908円
 (イ) 固有の損害金元本330万円及びこれに対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金(民法所定年5分の割合によるもの。以下同じ。)41万0465円
 (ウ) 上記(ア)の924万3908円及び上記(イ)の330万円の合計1254万3908円に対する本件保険金支払日の翌日から支払済みまでの遅延損害金

イ  第1審原告X2の請求(当審における減縮後のもの)は,以下の金員の支払を求めるものである。
 (ア) 上記ア(ア)と同じ
 (イ) 固有の損害金元本210万円及びこれに対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金26万1205円
 (ウ) 上記ア(ア)の924万3908円及び上記(イ)の210万円の合計1134万3908円に対する本件保険金支払日の翌日から支払済みまでの遅延損害金

ウ  第1審原告らは,主位的には,本件保険金を支払った訴外保険会社はAの損害金の残元本に対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金の支払請求権を代位取得すると主張して,上記ア及び上記イの各(ア)のAの損害金の残元本を請求しているが,予備的に,仮に,本件保険金を支払った訴外保険会社が上記遅延損害金の支払請求権を代位取得しないのであれば,第1審原告らは上記遅延損害金の2分の1の支払請求権を有していると主張しており,それぞれ,Aの損害金の残元本の2分の1である543万2560円及び上記遅延損害金の2分の1である381万1348円を請求しているとみられることは,記録上明らかである。

(原審)
 札幌高判平成21年 4月10日金商1391号34頁<参考収録>平20(ネ)359号

第1審原告らが第1審被告らに対して請求することができるAの損害金の元本を各532万9797円とし,第1審原告らの請求を,上記の532万9797円と第1審原告ら各自の固有の損害金元本(第1審原告X1につき270万円,同X2につき160万円)との合計額及びこれに対する本件保険金支払日の翌日から支払済みまでの遅延損害金の支払を求める限度で,これを認容すべきものと判断したが,第1審原告ら各自の固有の損害金元本に対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金の支払請求については,特段の理由を示すことなくこれを棄却すべきものと判断した。
(原審判断の理由)
(1)  本件保険金は,民法491条に準じて,まず,上記2(3)のAの損害金の残元本に対する本件保険金支払日までの遅延損害金762万2696円に充当される。
(2)  本件保険金のうち上記(1)のとおり充当された残額である5062万4202円については,その全額が上記2(3)のAの損害金の残元本に充当され,その結果,Aの損害金の残元本は,1065万9594円となる。

(最高裁の判断)

(1)  本件約款中の人身傷害条項に基づき,被保険者である交通事故等の被害者が被った損害に対して保険金を支払った訴外保険会社は,上記保険金の額の限度内で,これによって塡補される損害に係る保険金請求権者の加害者に対する賠償請求権を代位取得し,その結果,訴外保険会社が代位取得する限度で,保険金請求権者は上記請求権を失い,上記請求権の額が減少することとなるところ(最高裁昭和49年(オ)第531号同50年1月31日第三小法廷判決・民集29巻1号68頁参照),訴外保険会社がいかなる範囲で保険金請求権者の上記請求権を代位取得するのかは,本件保険契約に適用される本件約款の定めるところによることとなる。
(2)  本件約款によれば,上記保険金は,被害者が被る損害の元本を塡補するものであり,損害の元本に対する遅延損害金を塡補するものではないと解される。そうであれば,上記保険金を支払った訴外保険会社は,その支払時に,上記保険金に相当する額の保険金請求権者の加害者に対する損害金元本の支払請求権を代位取得するものであって,損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するものではないというべきである。

(以上 論点1)

(3)  次に,被保険者である被害者に,交通事故の発生等につき過失がある場合において,訴外保険会社が代位取得する保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権の範囲について検討する。
 本件約款によれば,訴外保険会社は,交通事故等により被保険者が死傷した場合においては,被保険者に過失があるときでも,その過失割合を考慮することなく算定される額の保険金を支払うものとされているのであって,上記保険金は,被害者が被る損害に対して支払われる傷害保険金として,被害者が被る実損をその過失の有無,割合にかかわらず塡補する趣旨・目的の下で支払われるものと解される。上記保険金が支払われる趣旨・目的に照らすと,本件代位条項にいう「保険金請求権者の権利を害さない範囲」との文言は,保険金請求権者が,被保険者である被害者の過失の有無,割合にかかわらず,上記保険金の支払によって民法上認められるべき過失相殺前の損害額(以下「裁判基準損害額」という。)を確保することができるように解することが合理的である。
 そうすると,上記保険金を支払った訴外保険会社は,保険金請求権者に裁判基準損害額に相当する額が確保されるように,上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が裁判基準損害額を上回る場合に限り,その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得すると解するのが相当である。

(4)  なお,第1審原告ら固有の損害の賠償債務は,本件事故時に発生し,かつ,何らの催告を要することなく,遅滞に陥ったものであるから(最高裁昭和34年(オ)第117号同37年9月4日第三小法廷判決・民集16巻9号1834頁参照),第1審原告ら固有の損害金元本に対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金の支払請求が否定される理由はない。

(以上 論点2)

5(1)  前記事実関係等及び上記4で説示したところによれば,訴外保険会社は,本件保険金5824万6898円とAの損害金元本7045万3997円との合計額1億2870万0895円が,本件事故によりAが被った損害である前記2(2)の7828万2219円を上回る部分である5041万8676円の範囲で,Aの損害金元本の支払請求権を代位取得し,その限度で第1審原告らが第1審被告らに請求することができるAの損害金の残元本の額が減少することとなる。そして,前記2(3)のAの損害金の残元本6128万3796円から上記の5041万8676円を控除すると,第1審原告らが第1審被告らに請求することができるAの損害金の残元本は,1086万5120円となる。

(2)ア  そうすると,第1審原告X1の請求は,以下の金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却すべきである。
 (ア) 上記Aの損害金の残元本の2分の1である543万2560円及び前記2(3)のAの損害金の残元本6128万3796円に対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金の2分の1である381万1348円
 (イ) 固有の損害金元本270万円及びこれに対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金33万5835円
 (ウ) 上記(ア)の543万2560円及び上記(イ)の270万円の合計813万2560円に対する本件保険金支払日の翌日から支払済みまでの遅延損害金

イ  また,第1審原告X2の請求は,以下の金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却すべきである。
 (ア) 上記ア(ア)と同じ
 (イ) 固有の損害金元本160万円及びこれに対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金19万9013円
 (ウ) 上記ア(ア)の543万2560円及び上記(イ)の160万円の合計703万2560円に対する本件保険金支払日の翌日から支払済みまでの遅延損害金


(裁判官宮川光治の補足意見)
 本件約款の人身傷害条項は,自動車事故によって被保険者が死傷した場合に所定の基準により算定された損害の額に相当する保険金を支払うという傷害保険を定めるものである。同保険では,被保険者は迅速な損害塡補を受けることができるのであるから,判決による遅延損害金をも塡補している賠償責任条項とは異なって,損害金元本に対する遅延損害金を塡補していない。保険代位の対象となる権利は,保険による損害塡補の対象と対応する損害についての賠償請求権に限定されるのであるから(対応の原則),原審が本件保険金について民法491条を準用し損害金元本に対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金に充当するとしたことは,相当でない。
 被害者に過失がある場合において,保険金を支払った保険者が代位取得する損害賠償請求権の範囲については,諸説がある。法廷意見は,人身傷害保険の趣旨・目的に照らすといわゆる裁判基準差額説と呼ばれている見解が合理的であるとするものであるが,本件約款の人身傷害条項においては損害や保険金を過失割合に応じて按分するという考えを採っていないこと,保険法25条1項が一部保険に関していわゆる差額説を採用したことにも相応すること,そして,そもそも平均的保険契約者の理解に沿うものと認められることから,支持できると思われる。本件約款の人身傷害条項は,賠償義務者から既に取得した損害賠償金の額等がある場合は,保険金の額はそれらの合計額を差し引いた額とすると定めている。これを字義どおり解釈して適用すると,一般に人身傷害条項所定の基準は裁判基準を下回っているので,先に保険金を受領した場合と比較すると不利となることがある。そうした事態は明らかに不合理であるので,上記定めを限定解釈し,差し引くことができる金額は裁判基準損害額を確保するという「保険金請求権者の権利を害さない範囲」のものとすべきであると考えられる。

2013.01.05

保険料不払の場合の保険契約失効と消費者契約法10条(最判平成24年3月16日)

最判平成24年3月16日民集 66巻5号2216頁平成22年(受)第332号 生命保険契約存在確認請求事件 (破棄差戻し)

保険料の払込みがされない場合に履行の催告なしに保険契約が失効する旨を定める約款の条項は,消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」にはあたらないとされた。

 本件各保険契約においては,保険料は払込期月内に払い込むべきものとされ,遅滞しても直ちに保険契約が失効するものではなく,この債務不履行の状態が民法541条により求められる催告期間よりも長い1か月の期間内に解消されない場合に初めて失効する旨が明確に定められている。加えて,払い込むべき保険料等の額が解約返戻金の額を超えないときは,自動的に上告人が保険契約者に保険料相当額を貸し付けて保険契約を有効に存続させる旨の自動貸付条項が定められていて保険契約者が保険料の不払をした場合にも,その権利保護を図るために一定の配慮がされているものといえる。
 さらに,保険会社において,本件各保険契約の締結当時,保険料支払債務の不履行があった場合に契約失効前に保険契約者に対して保険料払込みの督促を行う態勢を整え,そのような実務上の運用が確実にされていたとすれば,保険契約者は保険料支払債務の不履行があったことに気付くことができると考えられる。

2009.04.02

株主代表訴訟による所有権移転登記手続請求

会社法847条1項は
6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第189条第2項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第423条第1項に規定する役員等をいう。以下この条において同じ。)若しくは清算人の責任を追及する訴え、第120条第3項の利益の返還を求める訴え又は第212条第1項若しくは第285条第1項の規定による支払を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
とし、3項は、
株式会社が第1項の規定による請求の日から60日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。

としている。
この責任追及の訴え(株主代表訴訟)が、会社法423条の取締役等の責任を追及する場合に限られるのかは、旧商法267条の時代から争点となっていたが、今回最高裁判所が、以下のとおり、所有権移転登記手続請求にも及ぶことを明らかにした。

葉玉弁護士のサイトに解説がある。

最三判平成21年03月10日 平成19(受)799 所有権移転登記手続請求事件(一部破棄差戻し,一部棄却)
裁判所ホームページ http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37404&hanreiKbn=01

裁判要旨
Aの株主であるXが,Aの買い受けた土地について,同社の取締役であるYに所有権移転登記がされているなどと主張して,Yに対し,平成17年法律第87号による改正前の商法267条1項の規定に基づき,Aへの真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続をすることを求める株主代表訴訟において,同条項にいう「取締役ノ責任」には,取締役の地位に基づいて取締役に負わせている厳格な責任のほか,取締役が会社との取引により負担した債務についての責任も含まれると判示。

昭和25年法律第167号により導入された商法267条所定の株主代表訴訟の制度は,取締役が会社に対して責任を負う場合,役員相互間の特殊な関係から会社による取締役の責任追及が行われないおそれがあるので,会社や株主の利益を保護するため,会社が取締役の責任追及の訴えを提起しないときは,株主が同訴えを提起することができることとしたものと解される。そして,会社が取締役の責任追及をけ怠するおそれがあるのは,取締役の地位に基づく責任が追及される場合に限られないこと,同法266条1項3号は,取締役が会社を代表して他の取締役に金銭を貸し付け,その弁済がされないときは,会社を代表した取締役が会社に対し連帯して責任を負う旨定めているところ,株主代表訴訟の対象が取締役の地位に基づく責任に限られるとすると,会社を代表した取締役の責任は株主代表訴訟の対象となるが,同取締役の責任よりも重いというべき貸付けを受けた取締役の取引上の債務についての責任は株主代表訴訟の対象とならないことになり,均衡を欠くこ
と,取締役は,このような会社との取引によって負担することになった債務(以下「取締役の会社に対する取引債務」という。)についても,会社に対して忠実に履行すべき義務を負うと解されることなどにかんがみると,同法267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役の地位に基づく責任のほか,取締役の会社に対する取引債務についての責任も含まれると解するのが相当である。

2007.10.30

表明及び保証

M&Aの契約などで、表明及び保証条項を設ける例が多い。これは、契約締結前には、相手資産や業務等をデューデリジェンスにより調査するにしても、それには限界があり、また、デューデリジェンスの際に提出された資料に虚偽があった場合にそのリスクを買収側に負わせることはバランスを欠くことから、売主側に前提事実が真実であることを表明及び保証させ、事実と反する場合に生じた損害リスクの軽減を図る目的であると考えられる。
そして、表明及び保証条項は、近時、M&Aのみならず、一般の契約でも締結する際の前提事実が存在しないことが明らかとなった場合等のリスク回避の目的で、これを入れることが増えてきている。
以下の下級審の判例は、一つはM&Aの事例、もう一つは連帯保証契約の事例である。

M&Aの事例
東京地判平成18年 1月17日 判時1920号136頁

消費者金融会社の企業買収(M&A)を目的とする同社の全株式の譲渡契約中に、譲渡価格を同社の簿価純資産額より算出するとともに、株式の売主が買主に対し,同社の財務諸表が完全かつ正確であり、一般に承認された会計原則に従って作成されたものであること等を表明保証し,当該事項に違反した場合には、買主が現実に被った損害,損失を補償すること等を約していたところ、株式譲渡前の和解債権処理の方法が企業会計原則に違反しており、買主はそれにつき悪意重過失であったと認めることはできない等の場合には、売主は買主に対し、上記和解債権処理により不正に水増しされた株式の譲渡価格金額分について補償する義務を負うとされた。


連帯保証の事例   
東京地判平成18年10月23日金法 1808号58頁

 売掛金債務を連帯保証をする基本契約において、債権者が保証人に対して、債権者と主たる債務者との個別契約成立時に、主たる債務者が一切の債務について遅滞することなく、債務の本旨に従って、その履行がこれまでなされ、現在もなされていることなどを表明し,保証し、また、債権者には、主たる債務者が負担する金銭債務の支払の遅滞をするなどの事情が生じたときは、直ちに、債権者が連帯保証人に対し通知することが定められているにもかかわらず、実際には表明内容と異なり、また、遅滞の際の通知も怠った場合に保証人は、保証債務の責任を負わないとされた。

 

2007.10.17

営業譲渡・事業譲渡と譲渡人の債務の引受

商法17条1項(旧商法26条1項)は、「営業を譲り受けた商人(以下この章において「譲受人」という。)が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。」と規定しており、商号続用の場合、譲渡人の営業による債務を譲受人が引き受けることを原則としている。これに対し、商号の続用がない場合、債務の承継の有無は、譲渡人と譲受人との間の営業譲渡の契約により定められる。
そこで、商人の商号自体は続用せず、債務は承継しないものとして営業譲渡が行われた場合(このような例は多いと思われる。)、しかし、営業実体は、譲渡人と譲受人でほとんど変わらない場合に、債権者としては、譲受人が債務を引き受けているとの主張をすることが多いであろう。このような主張が認められるかについて、商法17条(旧商法26条)の類推適用の可否との観点で、最判平成16年 2月20日 民集 58巻2号367頁 判時 1855号141頁は、預託金会員制ゴルフクラブの例について、以下のとおり述べて、商法17条1項(旧商法26条1項)の類推適用があるものとした。
「預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、会員において、同一の営業主体による営業が継続しているものと信じたり、営業主体の変更があったけれども譲受人により譲渡人の債務の引受けがされたと信じたりすることは、無理からぬものというべきである。したがって、譲受人は、上記特段の事情がない限り、商法26条1項(註 旧商法。新法18条1項に相当。)の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負うものと解するのが相当である。」

(追記)2007.10.18
ところで、会社法制定により、会社の場合は、商号の続用は想定できないであろうとして、会社以外の商人における場合と区別して、営業譲渡との用語をやめ、事業譲渡と称することなっている(会社法467条以下)。上記の判例は、会社法制定前のものであるが、会社法制定後の事業譲渡の場合であっても、判例の法理はかわらず、商法17条1項の類推適用はありうると解するので、この点を追記し、表題を「営業譲渡と譲渡人の債務の引受」から「営業譲渡・事業譲渡と譲渡人の債務の引受」に訂正した。

2007.10.08

適合性の原則

金融商品取引法第40条は、「金融商品取引業者等は、業務の運営の状況が次の各号のいずれかに該当することのないように、その業務を行わなければならない。① 金融商品取引行為について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることとなっており、又は欠けることとなるおそれがあること。
② 前号に掲げるもののほか、業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱いを確保するための措置を講じていないと認められる状況、その他業務の運営の状況が公益に反し、又は投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定める状況にあること。」
としており、適合性の原則に関する規定をおいている。なお、同法は、平成18年に証券取引法等の改正法として立法され、全部の施行には至っていないが、現行法にも同様の規定がある。例えば現行の証券取引法43条は「証券会社は、業務の状況が次の各号のいずれかに該当することのないように、業務を営まなければならない。① 有価証券の買付け若しくは売付け若しくはその委託等、有価証券指数等先物取引、有価証券オプション取引若しくは外国市場証券先物取引の委託又は有価証券店頭デリバティブ取引若しくはその委託等について、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることとなっており、又は欠けることとなるおそれがあること。 ② 前号に掲げるもののほか、業務の状況が公益に反し、又は投資者保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定める状況にあること。」とし、金融先物取引法77条も、「金融先物取引業者は、業務の状況が次の各号のいずれかに該当することのないように、業務を行わなければならない。1.顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる受託契約等の締結の勧誘を行って顧客の保護に欠けることとなつており、又は欠けることとなるおそれがあること。2.前号に掲げるもののほか、業務の状況が公益に反し、又は委託者等の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定める状況にあること。」との規定をおいている。
そこで、証券会社その他の金融商品取引業者が、適合性原則に反して証券その他の金融商品を販売した場合の民事上の責任が問題となる。
この点、最判平成17年7月14日民集59巻6号1323頁 判時1909号30頁は、次のように判示し、適合性原則に違反する場合の損害賠償について述べたが、当該事例については、証券会社の不法行為を否定し、賠償責任を認めなかった。かように、賠償責任自体は否定した事案であるが、適合性原則違反の場合に民事責任が発生しうることについて最高裁判所が初めて触れた判決例であり、判例として価値あるものと思う。
「証券会社の担当者が、顧客の意向と実情に反して、明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど、適合性原則に著しく逸脱する証券取引の勧誘をしてこれを行わしたときは、当該行為は不法行為法上も違法となる。」
「顧客の適合性を判断するには、単にオプション取引という一般的抽象的リスクのみを考慮するのではなく、具体的な商品特性を踏まえ、これとの相関関係において、顧客の投資経験、証券取引の知識、投資意向、財産状態との諸要素を総合的に考慮する必要がある。」
としたが、本件での当てはめでは、「証券会社甲の担当者が顧客である株式会社乙に対し株価指数オプションの売り取引を勧誘してこれを行わせた場合において、当該株価指数オプションは証券取引所の上場商品として広く投資者が取引に参加することを予定するものであったこと、乙は20億円以上の資金を有しその相当部分を積極的に投資運用する方針を有していたこと、乙の資金運用業務を担当する専務取締役らは、株価指数オプション取引を行う前から、信用取引、先物取引等の証券取引を毎年数百億円規模で行い、証券取引に関する経験と知識を蓄積していたこと、乙は、株価指数オプションの売り取引を始めた際、その損失が一定額を超えたらこれをやめるという方針を立て、実際にもその方針に従って取引を終了させるなどして自律的なリスク管理を行っていたことなどの事情の下においては、オプションの売り取引は損失が無限大又はそれに近いものとなる可能性がある極めてリスクの高い取引類型であることを考慮しても、甲の担当者による上記勧誘行為は、適合性の原則から著しく逸脱するものであったとはいえず、甲の不法行為責任を認めることはできない」とした。

2007.09.23

自殺免責期間経過後の自殺と生命保険金の支払

生命保険について、商法は、次のように規定し、被保険者が自殺により死亡した場合には、保険者は、保険金額支払につき免責されるとしている。
すなわち、商法第680条は、
 左ノ場合ニ於テハ保険者ハ保険金額ヲ支払フ責ニ任セス
一  被保険者カ自殺、決闘其他ノ犯罪又ハ死刑ノ執行ニ因リテ死亡シタルトキ
二  保険金額ヲ受取ルヘキ者カ故意ニテ被保険者ヲ死ニ致シタルトキ但其者カ保険金額ノ一部ヲ受取ルヘキ場合ニ於テハ保険者ハ其残額ヲ支払フ責ヲ免ルルコトヲ得ス
三  保険契約者カ故意ニテ被保険者ヲ死ニ致シタルトキ
2 前項第一号及ヒ第二号ノ場合ニ於テハ保険者ハ被保険者ノ為メニ積立テタル金額ヲ保険契約者ニ払戻スコトヲ要ス
としている。
これに対し、多くの保険約款は、保険契約から一定期間内の被保険者の自殺につき、保険者は保険金支払を免責されるものとの条項によっている。これは、商法の規定は、「自殺」による生命保険金の獲得を動機とする生命保険契約の締結は、一般に、被保険者が自殺をすることにより故意に保険事故を発生させることは、生命保険契約上要請される信義誠実の原則に反するものであり、また、そのような場合に保険金が支払われるとすれば,生命保険契約が不当な目的に利用される可能性が生ずるから,これを防止する必要があること等の趣旨であるところ、保険契約から一定期間後の被保険者の自殺についてのみ、保険者が保険金支払を免責される旨の約款の定めは、仮に生命保険契約締結の動機が被保険者の自殺による保険金の取得にあったとしても、その動機を一定期間を超えて長期にわたって持続することは一般的には困難であり、一定の期間経過後の自殺については,当初の契約締結時の動機との関係は希薄であるのが通常であること、自殺の真の動機,原因が何であったかを事後において解明することは極めて困難であること等を理由に,一般に有効な約定であると解されている。そこで、生命保険契約締結の動機が、被保険者が自殺により受取人に生命保険金を獲得させるにあることが明らかとなった場合において、なお、約款の免責期間後の自殺について、保険者が支払いを免責されないかが問題となる。この点について、最高裁判所は、次のように判示し、責任開始の日から1年内の被保険者の自殺については、死亡保険金を支払わない旨の定めについて、責任開始の日から1年経過後の日保険者の自殺については、特段の事情が認められない限り、当該自殺の動機や目的が保険金の取得にあったとしても、免責の対象とはしないとした(最判平成16年3月25日民集58巻3号753頁 判時1856号150頁)。
「商法680条1項1号は、被保険者の自殺による死亡を保険者の保険金支払義務の免責事由の一つとして規定しているが、その趣旨は、被保険者が自殺をすることにより故意に保険事故(被保険者の死亡)を発生させることは、生命保険契約上要請される信義誠実の原則に反するものであり、また、そのような場合に保険金が支払われるとすれば、生命保険契約が不当な目的に利用される可能性が生ずるから、これを防止する必要があること等によるものと解される。そして、生命保険契約の約款には、保険者の責任開始の日から一定の期間内に被保険者が自殺した場合には保険者は死亡保険金を支払わない旨の特約が定められるのが通例であるが、このような特約は、生命保険契約締結の動機が被保険者の自殺による保険金の取得にあったとしても、その動機を、一定の期間を超えて、長期にわたって持続することは一般的には困難であり、一定の期間経過後の自殺については、当初の契約締結時の動機との関係は希薄であるのが通常であること、また、自殺の真の動機、原因が何であったかを事後において解明することは極めて困難であることなどから、一定の期間内の被保険者の自殺による死亡の場合に限って、その動機、目的が保険金の取得にあるか否かにかかわりなく、一律に保険者を免責することとし、これによって生命保険契約が上記のような不当な目的に利用されることを防止することが可能であるとの考えにより定められたものと解される。そうだとすると、 上記の期間を1年とする1年内自殺免責特約は、責任開始の日から1年内の被保険者の自殺による死亡の場合に限って、自殺の動機、目的を考慮することなく、一律に保険者を免責することにより、当該生命保険契約が不当な目的に利用されることの防止を図るものとする反面、1年経過後の被保険者の自殺による死亡については、当該自殺に関し犯罪行為等が介在し、当該自殺による死亡保険金の支払を認めることが公序良俗に違反するおそれがあるなどの特段の事情がある場合は格別、そのような事情が認められない場合には、当該自殺の動機、目的が保険金の取得にあることが認められるときであっても、免責の対象とはしない旨の約定と解するのが相当である。 そして、このような内容の特約は、当事者の合意により、免責の対象、範囲を一定期間内の自殺による死亡に限定するものであって、商法の上記規定にかかわらず、有効と解すべきである。
 このような見地に立って本件をみるに、前記の事実関係によれば、Bが自殺したのは、平成6年契約の責任開始の日から1年を経過した後であるから、1年内自殺免責特約により、上記特段の事情がない限り、商法の上記規定の適用が排除され、保険者は、平成6年契約に基づく死亡保険金の支払義務の免責がされないものというべきところ、当時、Bが経営する上告会社の経営状態は相当厳しい状況にあり、上告会社及びBは、前記のとおり、多数の保険会社との間で、多額の保険金額の本件各生命保険契約等を締結していたこと等が明らかであるが、その自殺に至る過程において犯罪行為等が介在した形跡はうかがわれず、その他公序良俗にかかわる事情の存在もうかがえない本件においては、その自殺の主たる動機、目的が、保険金を保険金受取人である上告人らに取得させることにあったとしても、上記特段の事情があるとはいえないものというべきである。
 そうすると、上告会社の平成6年契約に基づく主契約の死亡保険金の請求については、1年内自殺免責特約により、商法680条1項1号の規定の適用が排除されるものと解すべきである。」

2005.03.27

株券消費貸借

参考となる法令 民法 587条乃至592条


ニッポン放送は、所有するフジテレビ株をソフトバンクインベストメントに貸し出す旨の 株券消費貸借契約を締結した旨の報道がなされている。新聞などによると契約期間は5年とのこと。

株券消費貸借契約とは、貸主は株券を借主に貸し出し、借主は、一定の契約期間が経過後、貸主に株券の返還をすることを約する契約である。消費貸借契約なので、借主は、株券の所有権を取得し(その結果株主となる)、名義を書換えを請求でき、議決権を行使できる。また、返還する株券は、借りた株そのものである必要はないので、借り受けた株券を自由に売却できる。返還期日には、同数の株券を返せば足りるといった契約である。民法に規定がある。ある意味普通の契約ともいえる。

ニッポン放送株の新株発行や新株予約権発行とは異なり、所有するフジテレビの株の処分をするだけで、同社に対する支配の割合は変らず、株主による差止は困難と思われる。また、フジテレビ株を売却してしまうわけではないので、ただちに、重要資産の売却したとして、取締役に対する損害賠償の対象になるとは限らないであろう。もっとも、今回の契約では、契約期間は5年ということらしいが、その間、フジテレビに対する会社支配ができない契約(であるとして。)であることを会社に対して損害を与える行為とみることができるかが問題ということになりそうとの感想を持った。

この問題何度も繰り返すが全く目が離せない。
今回も ちょっと目を離した隙に株券消費貸借がなされていたことが発表されていた。

2005.03.12

取締役の責任

今日(2005年2月12日)の毎日朝刊に、ニッポン放送株問題に関連して、フジサンケイグループとしては、ニッポン放送グループの稼ぎ頭である子会社をフジサンケイグループの企業に売却するなどして、ニッポン放送の企業価値を大幅に引き下げてしまう戦略を検討している(焦土作戦)との記事が掲載されていた。

この記事でも末尾の方に多少触れていたが、子会社を「企業価値を大幅に引き下げてしまう」目的で売却する行為は、取締役の責任(商法266条)ありとされないことは難しいのではないだろうか?
同条1項5号は、法令または定款に違反する行為について、取締役の責任ありとしている(取締役会で賛成した取締役(同条2項)、及び決議の議事録に異議を留めなかった取締役(同条3項)も同様。)。そしてこの責任は、原則として、株主全員の同意がないと免除できない(同条5項。但し、同条7項以下に責任範囲限定の規定あり。)。
この場合、子会社の売買自体は違法ではないだろうから、取締役の忠実義務(商法254条の3)や善管注意義務(商法254条3項民法604条)に違反しないかが問題となるであろう。

現実の選択として、「企業価値を大幅に下げてしまう」目的での子会社売却という方式はとりにくいのでは?
もう少し ひとひねりすることになるのではないだろうか?

以上を昨日(2005年3月11日)に投稿したところ、今日の日経では、ライブドアがニッポン放送の役員に対して、「自社の重要資産を他者へ売却せず保有し続けるよう求める文書を12日、発送したことが明らかになった。」とされている。

これは、かような牽制球を投げておくことで、万が一、売却等のおりに、商法266条の責任を問うことをしやすくするための布石ともいえると思われる。


2005.03.11

新株予約権発行差止

ニッポン放送株の件、新株予約権発行差止の仮処分命令の決定がなされた旨の報道があった。

決定の理由等について、具体的に触れているかどうかは不明だが、不公正な新株予約権発行であるとの判断であったということだ。

今後、仮処分異議等申立があるのではとも思われるが、とりあえず、ライブドアは、第一関門を突破というところだろうか。

決定の要旨および全文も掲載されていた。

決定中で認定されている事実関係からは、妥当な判断と思うが、今後どのような位置づけの判例とされていくかも興味深い。

裁判所ウエッブサイトに地裁決定およびその後の保全抗告に対する高裁決定あり。

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